●株式会社あかつき出版部=コロボックル書房の初仕事といたしまして、「だれもしらない小さな国」の私家版を、可能な限り原型を留めた形で復刻いたしました。展示会でご覧になった方もあるかと思いますが、この版は、今から54年前、 本書が講談社で正式に出版される以前に、著者自身の手配で100部を刷った ものです。現在では使われていない邦文タイプ謄写版で印刷された、小さなかわいい本でした。
しかし100部あった内、進呈や紛失により、現在、神奈川近代文学館、講談社、 株会社あかつきに各1冊、合計3冊※を残すのみとなっております。そのうち の1冊を分解・分析し、大きさ、手触りもオリジナルのままに、現代の技術で完全 復元いたしました。そして、ここでしか読めないコロボックル物語の最新作、短 編冊子「ブドウ屋敷文書の謎」のオマケ付きです。
佐藤さとる85歳の誕生日を記念して、2013年2月13日より、限定1000部 刊行いたします。
若き日の著者の感動を、皆様に共有していただけたらと思います。
※その後、図書館への寄贈などで、3冊出てきています。
復刻版をお届けした皆様から、たくさんの暖かいメールやお手紙をいただきました。
皆様の心に、コロボックルたちが生き続けている、そのことが何より嬉しいです!
お一人、お一人にお返事を差し上げたいのですがままならず、
この場を借りて、深くお礼を申し上げます。皆様、本当にありがとうございます。
★復刻版は、弊社での販売を、終了しております。
私家版復刻にあたって (復刻版ケース裏ご挨拶より転載)
コロボックル物語の最初の形、私家版がうまれてから早五十数年、百部あまり
作ったものが、いつのまにか手元に三冊を残すのもとなってしまいました。
それを知った身近な人たちが復刻を企画したものです。作者としては喜びと同時
に、懐かしさも味わいました。
この復刻を記念して、新作コロボックル物語『ブドウ屋敷文書の謎』の冊子を、
付録として添えました。これで、最初と最新のコロボックル物語が読めることに
なります。
なお、付録冊子のカットは作者の遊びですが、私家版の表紙は、私の下図から
木下欣久氏が仕上げてくれたものです。
佐藤 さとる